脳活

スマホが子どもに与える影響とその対策とは?

こんにちは!
今日はスマホが子どもに及ぼす影響について考えてみたいと思います。
2024年、日本国内での携帯電話所有者の内、スマートフォン比率が97%となったということで、携帯電話を所有している方はほとんどがスマホということになります。
このデータを見ても、スマホは私たちの生活に無くてはならないものになっています。
最近では、スマホを持っている小学生もよく見かけるようになりました。モバイル社会研究所の2024年1月の記事からも、調査開始から初めて小学校高学年のスマホ所有率が4割を超したとのことでした。
スマホやタブレットがあれば、ゲームや動画視聴、SNSなど、いろいろな娯楽を楽しめますよね!子どもたちも夢中になるはずです。

ユネスコ(国連教育科学文化機関)が「学校でのスマホ」禁止を呼びかけ

2023年にユネスコはスマホが学習活動を妨げる可能性があるとして、学校でのスマホ使用を禁止するよう呼びかけました。同機関によるとすでに4か国に1か国は、学校でのスマホ使用を全面的、または部分的に使用を禁止しており、(2023年発表時)複数の研究で、この取り組みが学習パフォーマンスを向上させることが示されたといいます。
ユネスコは報告書の中で、子どものスマートフォンやコンピュータの過度な使用は、成績に悪影響をもたらし、教室や家庭での学習活動を妨げる可能性があるとしています。

もちろん、学習パフォーマンスを向上に役立つ使い方もあります。ユネスコは、教育現場でのテクノロジー使用には、明確なガイドラインが必要だとしています。

スマホはどんな影響をおよぼすか

2021年に1番売れた本「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著)の中では、スマホによる様々な悪影響が指摘されています。
『スマホは私たちの最新のドラッグ』
スマホは脳内の伝達物質のドーパミンを作用させます。このドーパミンは報酬系の神経伝達物質と呼ばれ、人間を元気にしたり、何に集中するかを選択させたりする、人間の原動力となるものです。そのドーパミンですが、過剰分泌により引き起こされる弊害もあります。例えば、アルコール依存症やギャンブル依存症、また禁止薬物の依存症などです。それらはドーパミンの過剰分泌により引き起こされるものなのです。スマホが最新のドラッグと呼ばれる所以は、脳は新しいものが大好きで、新しいことを学ぶとドーパミンが分泌されます。スマホの中には、ニュースやSNSでの最新情報など、次々に新しい情報が更新されますよね?つまり、スマホは、人間の脳の報酬システムを巧みに煽っているのです。

「スマホ脳」にはこんなことも書かれていました。
「テクノロジーに精通している人ほど、その魅力が度を過ぎていることを認識し、制限した方いいと考えているようだ。IT企業のトップは自分の子どもにスマホを与えない」
その中には、アップル社創業者のスティーブ・ジョブズやマイクロソフト創業者のビル・ゲイツの名前も挙がっていたのです。テクノロジーに精通しているからこそ、悪影響のリスクを把握しており、自分の子どもにはスマホ等を与えず、守っていたということなのでしょう。

スマホのメンタルヘルスや睡眠に与える影響について

「スマホ脳」によると、20代の若者およそ4000人にスマホの利用習慣を聞き取り、その後1年間にわたって観察を続けた研究があり、熱心のスマホを使う人ほどストレスの問題を抱えている率が高く、うつ症状のあるケースも多かったということです。また、同じような結果が「アメリカ心理学会」のインタビューでも示されたとの記述もありました。
複数の大規模な研究により、ストレスとスマホの使用過多に関連性があることがわかったのです。その他、ストレス以外にも不安障害を引き起こすこともわかっています。
スマホをよく使う人ほど、ストレスと不安を引き起こす可能性が高いということなのですね。
また、スマホは睡眠にも悪影響を及ぼします。体内リズムは、光をどのくらい浴びたか等によって制御されます。眠りにつく時間を身体に知らせるメラトニンという神経伝達物質の働きです。メラトニンの分泌量は日中は少なく、夕方になると増え、夜に最多になります。光を浴びすぎると、メラトニンの分泌にブレーキがかかり、身体はまだ昼間だと勘違いしています。スマホのブルーライトには、メラトニンを抑える特殊な効果(太陽の光に含まれるもの)があるというのです。つまり、夜寝る前にスマホやタブレットを使用すると、ブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌を抑え、さらに分泌を遅らせてしまうというのです。さらに、ゲームやSNSなどを寝る前にすると、ドーパミンと関係するあらゆる刺激によって脳が目覚めてしまう。理論上でいうと、寝る前のスマホ使用は、眠りやその質などに悪影響を及ぼすということなのです。

バカになっていく子どもたち

内閣府が2022年3月に発表した「令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、1日あたりの「インターネット使用時間」は、小学生(ここでは10歳以上)平均3時間27分、中学生平均4時間19分でした。そのうち「スマホを使用している割合」は小学生が38.6%、中学生が72.6%。使用目的でもっとも多かったのが、「趣味・娯楽」で動画視聴が中でも人気です。
東北大加齢医学研究所の研究では、スマホの利用頻度に応じた学力の推移のデータを分析すると、スマホが原因で学力が下がったことが明白だったとのことです。
東北大加齢医学研究所の川島教授は、「平均11歳の子ども223人の脳を3年間モニタリングした結果、スマホを含むネット漬けの子どもほど、思考や創造のほか、人の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりするような高次なコミュニケーションを司る前頭前野を中心に、脳が発達していないことがわかりました。記憶や学習に関わる海馬や、言葉に関係する領域などにも影響が見られます。スマホを使っているときは脳があまり活発に動いていないという文献は多く出ていますが、スマホは人間が楽をするための道具ですから、当然といえば当然です。紹介した調査は小中学生を対象としたものですが、成長段階にあるという点では、高校生にも同じことが言えます。ついでにお伝えすると、すでに成長している大人も安心できません。使わない機能は、どんどん衰えていきます」と警鐘を鳴らします。

対抗策には「運動」

すべての知的能力が、運動によって機能を向上させ、集中できるようになり、記憶力も高まり、ストレスにも強くなる。「スマホ脳」にもそう記されていますが、多くの研究により、
運動が脳を活性化させることが明らかになっています。
つまり、スマホによる様々な弊害に対する対抗策として、最善の方法が「運動する」ということなのです。また、運動と学力には密接なつながりがあり、運動習慣を身に付けることで学力向上につながると言われています。さまざまな研究で、短い時間でもウォーキングなどの運動をすることで、脳の認知機能がをコントロールする部位の活動が活発になることが確かめられているのです。学習における認知機能とは「記憶力や言語力、判断力」など…
外遊びなど、日々の生活の中で、楽しく体を動かすことで、自然と高められるものなのです。

現代の子どもたちは運動不足

現代の子どもは、運動不足が深刻化しており、世界的に問題となっています。その原因として挙げられるのは、生活の利便性や生活様式の変化により、身体を動かす機会が減少していることや、外遊びやスポーツの重要性を学力の状況と比べ軽視する傾向が進んでいること、
テレビやスマホによる動画視聴やゲームをする時間が増えていること、公園など遊ぶ場所が減少していることなどです。

まとめ

昔の子どもは、「遊びが仕事」と言われていたように、外で遊ぶ場所も豊富にあり、スマホなども無いので、外で友達と遊ぶことが一番楽しいこととして、自然に身体を動かしていました。現代では、これだけ家にいても、ひとりでいても楽しめるコンテンツが溢れているので、運動不足になるのは、必然かもしれません。家庭で意識的に、身体を動かす機会、環境をつくってあげることが大切と感じます。運動不足は、肥満などの生活習慣病だけに留まらず、意欲や気力の低下、ストレス耐性、学力や知的好奇心にも悪影響を及ぼします。子どものより良い成長を願うならば、家庭はもちろん、社会全体で自由に外遊びを楽しめる環境をつくってあげること。それが未来の社会を担う子供たちの成長を促し、日本の明るい未来にも繋がっていくのだと、大人の私達ひとりひとりがそのような視点になることがこの問題を解消する道なのではないでしょうか?

ABOUT ME
Katsu
はじめまして!Katsuです! 脳トレと運動を組み合わせたエクササイズ 「ライフキネティック」の公認トレーナー。 すべての人に、活力ある生活を送ってもらいたい! そのために脳により良い情報を提供し、発信していきます! ひょんなことから、ボランティアで少年野球の指導を することになり、気が付けば、いつの間にか10年。 子ども好きという新たな一面を発見することが出来ました(笑) 大河ドラマ「西郷どん」で島津斉彬公が「子どもは国の宝」という 言葉が胸に刺さり、そんな思いを胸に日々子どもたちと白球を 追っています。