こんにちは!
みなさんは、頭を良くする方法や脳のトレーニングということをイメージすると、どのようなことを思い浮かべますか?きっと、パズルやクイズ、脳トレゲームなどを思い浮かべる人も多いのではないのでしょうか?
しかし、脳にとって最も有効的に刺激を与えてくれるのは、「運動」というのが、今科学的にも常識なのです。なぜ運動が有効なのか?それを紐解いていきましょう!
現代人の脳は狩猟時代となんら変わっていない
日本でも爆発的に売れたアンデシュ・ハンセン著の「スマホ脳」や「運動脳」。その中にこんなことが記されていました。「私たちに備わっている身体の機能や認知機能、感情までも
1万2000年前の我々の祖先となんら変わっていない」と。衝撃的な内容と思いませんか?
江戸時代が約267年前。聖徳太子の飛鳥時代が約1400年前。1万2000年前はとんでもなくはるか昔です。そんな時代の脳と現代の私たちの脳は変わっていないというのです。
では、生活習慣を比較してみましょう。1万2000年前の原始人は、食料を得るために、歩き続け、また走り回りました。猛獣などの危険に遭遇すれば、逃げるか闘うかの選択肢を迫られました。現代の私たちは、食料が溢れています。猛獣に出会うような常に危険に隣り合わせということもありません。
このように比較すると生活習慣は驚くほど激変し、運動をしなくても生き延びられることが可能になっているのが容易に推測できますよね?
しかし、長い人類の歴史の中で、現代のような生活習慣になったのは、ごくごく最近のこと。原始時代の生活習慣の方が圧倒的に人類の歴史として長いのです。
つまり、脳や身体が現代の生活習慣に対応できるまでの歴史を歩んでいない。人類の歴史の大半である原始時代の我々の祖先と現代の私たちの脳はほぼ同じということなのです。
脳は「運動」することで様々な能力アップのための力をくれる。それはもともと生きていくため
このように、原始時代の人々の方が現代の私たちよりもはるかによく動くという点が明確に違うということがわかると思います。1万2000年前から何百万年もの間、私たちの祖先は、現代人よりも活発に動き回っていたのです。
生きるために運動しなければならない。脳は人間が運動してくれるように、様々なご褒美を用意したり、生き延びることができるような手助けを行ってくれます。
- ドーパミンを分泌させ、やる気アップ
- 心を落ち着かせ爽やかな気分になるセロトニンの分泌
- 集中力を高め、神経を研ぎ澄ませるノルアドレナリンの分泌
- 脳内麻薬と呼ばれ、高揚感や幸福感などを引き起こす、エンドルフィンの分泌
このように運動することで、さまざまな神経伝達物質が分泌されます。こう見てみると、
狩りに出かけなくてもいい、猛獣に出会わない現代でも、運動することが、どれほど必要なものかが容易に想像できますよね?
運動すれば頭が良くなる? それはBDNFが増えるということ
BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)とは、脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質で、神経細胞の活性化に重要な役割を果たしています。BDNFの働きをいくつか挙げてみると、
・神経細胞の発生、成長、維持、修復の促進
・記憶力や認知機能を向上させる
・学習や記憶、情動等に重要な働きをする
BDNFは「脳の肥料」とも呼ばれ、脳の活性化に大きな役割を持っています。
運動をすると「BDNF」が増加することがわかっており、神経の栄養となり、神経を育ててくれる物質であるBDNFが増加することで、脳が活性化する。つまり頭が良くなる脳内環境が整うわけです。
こんなにすごい!BDNFを増やすメリット
BDNFは私たちの脳の中で記憶を司る「海馬」に多く含まれ、神経細胞の働きを活性化してくれることがわかっています。そして運動によりBDNFが最も分泌される場所も「海馬」なのです。
運動によりBDNFが増加→海馬が成長→長期記憶・短期記憶がよくなる⇒学力アップ
というわけですね!
また、BDNFは65歳以上になると、加齢によって低下し、認知症やうつの症状でも大幅に低下することがわかっています。BDNFを増やすことは、認知症の予防やうつ病の対策にもなるのです。
運動後の3時間が学力アップにつながるゴールデンタイム
「19歳までに手に入れる7つの武器(樺沢紫苑 著)」によると、ハーバード大の研究で、運動直後の3時間は、記憶力が20%向上することがわかったそうです。また、0時間目に体育を設定した学校の成績が急上昇したという結果もあるそうです。
また別の大学の研究でも、ゆっくりしたペースのウォーキングやヨガのような超低強度運動でも10分間行うと、その直後に記憶力が向上するということを明らかにしたとのこと。運動により、脳の学習・記憶に関わる部位である海馬の活動が活発になり、記憶システム全体が向上することが、最先端の機能的MRIによって実証されたそうです。
まとめ
このように、運動することは人間が生きるために不可欠なものだったので、メリット以外ありません。
やる気を高め、心の安定感をもたらし、集中力を高め、幸福感を感じ、
学力までも高めてくれる。
時代が豊かになればなるほど、運動の機会が減ってきています。
私たち、特に成長期にある子供たちには、半ば強制的にでも運動する環境を整えてあげる必要があるのではないのでしょうか?