こんにちは!
先日こんな記事がありました。2024年の全国高校野球選手権大会で初優勝を果たした
京都国際高校に関する記事です。https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/hs_other/2024/11/04/post_127/
以前からライフキネティックを練習に導入していたことは、知る人ぞ知るという感じでしたが、甲子園優勝まで上り詰め、ライフキネティックも大変注目を集めていますね。
2023年オフには、ソフトバンクの和田毅投手やヤクルトの石川雅規投手が、自主トレで
ライフキネティックを取り入れるとニュースになっていましたが、野球界にも徐々に浸透してきている気がします。
ライフキネティック サッカー界ではメジャーな トレーニング
サッカーの名将ユルゲン・クロップ氏。サッカーが好きな人ならほとんどの人が知っているはずです。ある日、ユルゲン・クロップ氏が何気なく見ていたTVのバラエテイー番組で、ライフキネティックが紹介されていたそうです。ちょうどそのとき、身体の負担を軽減できるトレーニング法を模索していた頃であり、まさに「これだ!」と確信を持ってトレーニングを導入したそうです。そうして、当時率いていたボルシア・ドルトムントをブンデスリーガで2度の優勝に導きました。
そうしたこともあり、ブンデスリーガやJリーグなど世界のサッカー界では多くのチームがこのライフキネティックを導入しています。
ライフキネティック アスリートへの効果
ライフキネティックプログラムのコンセプトとして、
・ボディーコントロールトレーニング
いろいろな状況下で、素早い動きや、マルチタスクの動きでも流れのあるスムーズな動き、また継続中の動きの中で新たな課題の動きに入るときでもスムーズに対応できるような
トレーニング。
・視覚機能トレーニング
目の追従運動や視野の強化、焦点を合わせるトレーニング
・認知機能トレーニング
作業記憶や認知を刺激するトレーニング
の3つがあります。これらのトレーニングを行うことで、脳を活性化していきます。
スポーツシーンにおいて得られる有益な効果としては、動体視力・視野を広げる・反応速度の向上・判断の正確性向上・競技能力の向上などが挙げられるでしょう。
甲子園優勝校が実感できた効果
ライフキネティックは、例えば筋トレすれば体が大きくなり、打球飛距離が上がったなど明らかに目に見えた効果を感じることが難しいトレーニングです。
記事の中では、京都国際は継続することが大事とトレーニングを続け、ライフキネティックを導入した2016年以降、成績は右肩上がりで、2018年に京都の秋季大会で準優勝、2021年にセンバツ初出場を果たし、2024年は春季近畿大会と夏の甲子園で初優勝まで上り詰めたとあります。京都国際高校を率いる小牧監督のコメントを見ても以前のようなミスがなくなってきたとあります。
また、ボールの見極めであったり、冷静に状況を把握しないといけない時に、より正しく、成功の確率が高い判断ができるようになったとのコメントもありました。
選手自身のコメントでも、打席のなかで思ってもいないボールが来ても反応でき、簡単に打ち取られなくなった。反射的にバットを出せる感覚という感想を述べています。
また個人レベルではなく、チーム全体の効果にも触れています。ライフキネティックでは、数人を1グループとして行うエクササイズもあり、失敗を笑い合ったり、成功を喜んだりチームビルディングとしての効果も望めます。京都国際の選手たちもチームワーク強化の効果を実感し、チーム力アップにも繋がったということでした。
ライフキネティックの野球への効果
ライフキネティックが具体的にどのような効果を及ぼすのでしょうか?
私なりに考察していきたいと思います。
視覚機能を鍛えることで打撃力・守備力UP
視界には大きく分けて2種類あります。
・中心視野
自分の視界の中心で見る方法。意識的に対象物を見るときに使われる
・周辺視野
視界の90%を占める。くっきりと対象を見ることはできない。
運動との連動性を考えれば、周辺視野の方が体はより敏感に反応するといわれています。
そして周辺視野は繰り返し訓練することで、能力を向上させることができるのです。
バッティングにおいて、「ボールをよく見て打つ」と指導されることが多いのではないかと思います。しかし、実際にはインパクトの瞬間までボールを見ることはありません。
投手の手からボールが放たれてからある程度のポイントで軌道を推測し、スイングしていきます。ボールをよく見て打つことを意識すれば、中心視野を使って打つことになり、体の反応も遅くなってしまうことに繋がるのです。
また、中心視野では1秒間に1~2個程度しか情報を得られないが、周辺視野では約4~5個の情報を得ることが可能だといいます。
つまり、守備においても、周辺視野をトレーニングすることで、視野が広がり、ランナーの位置情報等の周囲の情報を即座に処理して、よりベストな判断に繋げることができるというメリットがあると思います。
ライフキネティックでは、視覚機能はもちろん、聴覚、体性感覚など様々な知覚にアクセスして刺激を与えていきます。そうすることで、脳全体にネットワークを広げ、パフォーマンスを上げる土台作りを行っていくのです。
プレイの反応速度と質の向上
いろいろなスポーツで反応速度は求められますが、野球でも大切な能力です。野球はどちらかというと持久力よりも瞬発力が求められる競技。投手の投げたボールを打ち返すのも、守備で強くて速い打球をキャッチするのも、ゴロを捕球してスローイングするのも反応速度が重要になってきます。
これからは「脳を鍛える」時代
YouTubeの「東京名誉教授の小林寛道 最新スポーツ科学を語る」という番組の中で、スポーツにおいて、筋力や心肺機能のトレーニングも大事だが、スキルの部分、動作の質(Quality)が重要だと仰っていました。これからは、筋肉、体幹などのフィジカルだけではダメで、脳を鍛えなければならない。「運動も今は脳の時代」と断言されていました。
脳とQOM(体の使い方)は絶対に関係しており、運動には脳の機能が重要で、また逆に身体を使うことが脳を刺激して頭が良くなる効果も狙えるということです。特に子供は運動が重要で、運動不足の子供は脳が発達しにくいと説明されていました。
まとめ
従来のトレーニングでもスキル習得や向上のためのトレーニングにおいては、無意識のうちに脳を鍛えていたことにはつながるでしょう。しかし、これからは、例えば視覚機能アップなど明確な目的をもって、脳を意識的に鍛えることが重要で、より効果的なパフォーマンスアップにつながってきます。
ライフキネティックは、脳全体を活性化させるトレーニングです。まさに最先端のトレーニングといえると思います。是非導入することをおすすめします!