少年野球

野球人口減少対策 「BTボール」 おすすめ!

「野球人口減少」ということを耳にするようになってから、十数年になります。全日本軟式野球連盟に加盟している学童チームは、この15年で約5000チームも減少しているといいます。この問題に対して、NPBを始め野球界でも、今まで様々な取り組みを行ってきたのでしょうが、改善するどころか、加速しているように感じます。私も少年野球に携わるようになってから、この問題に直面していますが、本当に危機感を感じます。
2023年、WBC優勝で日本中が歓喜に沸きました。また2024年は大谷翔平選手の目覚ましい活躍がありました。子ども達が憧れ、野球をやりたい!と思うようなきっかけはあったのですが、大きな成果には繋がっていないように感じます。

野球人口減少の原因

・少子化
・公園や空き地など、野球を出来る環境の減少
・子どもの習い事やスポーツ競技の多様化
・親の負担(お茶当番や車だしなど)
・用具代等、お金の問題
・指導者の暴言や怒号
・地上波でのTV中継など野球が身近になくなってきた

他にもいろいろな要因があると思いますが、ざっとこんな感じでしょうか。

少子化

少子化については、子どもの数が減り続けているのですから、それに比例して、野球をする子どもも減ってくることは当然といえば当然です。少子化については、もう国レベルで対策をしてもらわないとどうしようもありません。

公園や空き地など、野球を出来る環境の減少

次の公園や空き地などの野球が出来る環境の減少についてですが、ドラえもんに出てくるような空き地は、今はもう皆無ですし、公園でもバットの使用禁止はもちろん、キャッチボールすら禁止になっているところが増えてきています。ただ、私たちが子どもの頃もそうだったように、柔らかいボールとちょっとした長い棒、または手でも構いません。そういった物を代用して、野球のような遊びを工夫して行うことは可能です。しかし、そういった光景もあまり目にすることは少なくなってきました。

子どもの習い事やスポーツ競技の多様化

子どもの習い事やスポーツ競技の多様化については、みなさんも語るまでもなく実感しているのではないのでしょうか。サッカーにはじまり、ラグビー、バスケットボール、卓球、さらに、スケボーやダンスなど新たなジャンルも人気です。またプログラミングなどの習い事も人気が出ていますね。

親の負担(お茶当番や車だしなど)

親の負担についてですが、これはチームや地域によって、異なってくると思います。私が携わっているチームは、公民館サークルに所属しているチームです。野球だけでなく、地域の行事にも公民館の活動として参加しなければならない場合もあります。また、小学校の運動場の使用についても、各小学校で条件が異なります。他チームとの併用、しかも午前中のみの時間制限などで、使えて月に4回の午前中のみです。毎週土日、活動するためには、どうしても少し離れたグラウンドを借りる必要があります。また試合会場も徒歩や自転車で行けるようなところはほとんどありません。必然的に保護者の車出しが必要になってくるのです。

一方、私の実家のある町でもそうですが、小学校のグラウンドはある程度使い放題の地域もあります。移動して活動するにしても、せいぜい車で10分ぐらいのところです。ほとんど送迎を苦にすることはないでしょう。このようにチーム事情によって親の係わり方は大きく異なると思います。

用具代等、お金の問題

用具代など金銭面での負担については、まずチームに所属するための費用というものが必要になることがほとんどだと思います。月会費やスポーツ保険代などですね。また初期費用として、ユニフォームや帽子、スパイクなどのチームで統一している物一式も必要です。
私が携わっているチームでは、できるだけ金銭面の負担を軽くするため揃えていませんが、バッグやセカンドユニフォームまで必要なチームもあります。また、最近ではより飛距離が出る複合バットが人気ですが、非常に高額で、どんな用具を揃えるかにも大きく左右されると思います。
月会費については、小学校や地域のチームを選択すれば、月3,000~4,000円程度。営利法人が運営しているチームや地域チーム等ではないクラブチームなどは、月8,000~10,000円程しますので、地域チームを選択すれば、初期費用以外ではそれほどかからないのではないかと思います。

指導者の暴言や怒号

指導者の暴言や怒号については、これは本当にチームによって異なります。おすすめするのは、体験会だけで判断するのではなく、実際の試合を観ること。特に接戦や負けている状況で「暴言・怒号」があるのか、一番見えてくるのではないかと思います。ワンサイドで勝っている試合は、その辺があまり見えてこないことがあります。
また、試合にも公式戦と練習試合がありますが、練習試合の方が、審判をチーム保護者がすることが多いため、よりその辺が見えてくるかもしれません。
最近は「罵声や怒号」が飛ぶチームは、だいぶ見られなく無くなってきたと個人的には感じています。昔のイメージが先行している部分もあるのかもしれませんね。

地上波でのTV中継など野球が身近になくなってきた

最後に野球が身近でなくなった点について、昔は必ず地上波のTVで野球中継があっていました。それを夕飯を囲みながら、家族団らんの場で一緒に観ていたものです。ブラウン管に映るスター選手に皆憧れ、それを夢見て放課後は、公園や空き地で友達数人で集まって、野球をやっている光景があちこちで見られました。そして、その公園の遊びだけでは物足りず、近くのチームに所属するという流れがほとんどだったのではないかと思います。
しかし、現在は野球中継はほとんど配信サービスや有料放送になり、地上波ではほとんど観られなくなってきました。今でこそ、大谷翔平選手の活躍で、連日報道で野球が取り上げられていますが、大谷選手がここまでの活躍をしていなかったら、もっと野球離れがすすんでいたに違いありません。

野球人口減少対策として私たちができること

では、少年野球に携わる私たちができることはどんなことがあるのか。私の個人的な考えとして述べていきたいと思います。
上記でも記したように、親が子どもに野球を触れさせる機会が減ってきている今、遊びの中でいかに野球の楽しさを感じてもらえるかが大事になります。その場を提供するのが、私たちが携わっている地域の少年野球チームが行うのが一番ではないかと思います。
できるだけ未就学児からその機会をつくってあげ、野球の楽しさを感じ、野球に興味をもってもらう。その役割を少年野球チームが行えば、将来的な部員確保につながることも期待できるのではないかと考えるのです。

未就学児でも楽しくできる「BTボール」

サッカーは、未就学児でも手軽に取り組めるスポーツとして人気があります。また、その時期から始められるチームも多数あります。一方、野球はルールが複雑で未就学児には難しい、そもそも未就学児から野球ができるチームや習いごとも少ないという現状です。
私自身も5歳や6歳の未就学児が楽しくできるようなルールはないだろうかと長年考えていたのですが、見つけたのが「BTボール」!
「BTボール」は、野球(Baseball)やティーボール(Teeballスポーツ)のルールを簡易化した、誰もが楽しめるベースボール型スポーツのあそびと説明されています。
詳しくは日本野球機構のホームページを参照してください。

https://npb.jp/promotion/experience/btball.html

ウチのチームでは、BTボールをだいぶアレンジして行っていますが、子どもたちはとっても楽しそうに毎回参加してくれます。定期的に未就学児から1年生ぐらいまでを対象として、活動を行い、実際に入部してくれた子どもも何人かいますし、他のチームに入部した子どももいます。野球をする子どもが少しでも増えたらという思いでやっているので、他のチームに入ってもOKなんです。(ウチに入ってくれたらもちろんうれしいのですが)

野球人口の減少に歯止めをかけるためには、NPBなどの大きな組織での取り組みが欠かせません。しかし、それだけでは、野球人口減少を食い止めることはかなり難しいと思います。

ただ、野球は長きにわたって、日本人に愛されてきたスポーツとしての歴史があります。野球に青春を捧げ、いろいろなものを培い、また大切なものを得たという人も数多くいるはずです。野球に恩返しをしたいと思っている人もたくさんいるはずです。野球には、そういった底力がまだまだ潜在していると個人的に思っています。
そして、野球の楽しさをたくさんの子供たちが感じてくれる場所を数多く設けることが必要で、その中で私も引き続き、野球の素晴らしさと楽しさをできるだけ多くの子供たちに伝えていきたいと思います。

ABOUT ME
Katsu
はじめまして!Katsuです! 脳トレと運動を組み合わせたエクササイズ 「ライフキネティック」の公認トレーナー。 すべての人に、活力ある生活を送ってもらいたい! そのために脳により良い情報を提供し、発信していきます! ひょんなことから、ボランティアで少年野球の指導を することになり、気が付けば、いつの間にか10年。 子ども好きという新たな一面を発見することが出来ました(笑) 大河ドラマ「西郷どん」で島津斉彬公が「子どもは国の宝」という 言葉が胸に刺さり、そんな思いを胸に日々子どもたちと白球を 追っています。